【コロナ禍、観光の方向性について】
令和4年9月議会の一般質問で観光の方向性について質問しました。その時の答弁とその後に取材した情報を含め再構成してお届けします。
映えを観光活性化の一つに
一時は都県境を越えることも控えてほしいと言う時期もありましたが、現在では行動制限もなく、旅行・観光に出かける人も多くなりました。新型コロナウイルス感染症の流行から2年半、余暇を国内、近場で過ごす人が増えています。おそらく私が一般質問で観光に言及するのは7・8年ぶりです。その上で、この10年で観光が変わったと思うのが、スマホで写真が当たり前になり、自分で撮った写真を人と共有することが楽しみの一つになっています。つまり、「観光=写真を撮りたい」、いわゆる「映え」です。想い出を写真に納める行動はこれまでにもあって、家族や友人と一緒に見ることが多かったのですが、今は、友人と共有するとともにネットで公開する、が観光の満足感をあげています。この「映え」について担当部署である協働推進部は「市民の方や、本市を訪れた人が発見した、美しい風景、人目をひく物や地域の食文化や特産品など本市の魅力を広く発信していただくことが、本市を訪れたことがない方に関心を持っていただく第一歩であり、観光により地域活性化させるために重要なことの一つである」としています。
観光はそこに暮らす人々の生活のお裾分け
観光は、非日常を味わうもので、そこに暮らす人々の生活の中に入って、雰囲気を味わったり、食を楽しんだりしていると私は考えています。例えば、温泉が一番わかりやすいです。温泉地に暮らす人は普段から共同浴場などで温泉に浸かっていることが多く、私たちはそのお裾分けをいただいているわけです。その思い出として写真があり、手軽に友人にも楽しんでもらいたいと言う気持ちからSNSでの拡散になっているのではないでしょうか。
今回質問するにあたり、いくつか取材をしてきました。その一つが香川県の父母が浜です。高松から車で1時間の海岸沿い、日本のウユニ湖と言われているところで、愛媛や香川の「わ」ナンバーつまりレンタカーで来ている方がたくさんいらっしゃいました。もともとこの父母が浜は最初から観光化を目指していたのではなく、地域の方が海岸沿いでゴミ拾いから始まり、結婚の記念写真の撮影、そして日本全国から写真を撮りにくる方が増えた、と活動されている方は話してくれました。生活の中にある場所が観光化されていることがわかります。一方、もともと観光化されている場所を映えるようにしているのが名古屋市中心部にある中部電力ミライタワーです。これは説明は必要ないかもしれませんが、まさに映えです。
映えスポットの公募
私たちの生活の中に観光の素になるあるのであれば、武蔵村山の「映え」スポットは市民である私たちが一番よく知っているはずなので、InstagramやTwitterで市内の「映えスポット」を公募したらどうかと提案したところ、協働推進部長は「観光まちづくり協会とも連携しながら、今後検討を重ねてまいりたい」と答弁しました。市民自ら知っている映えスポットを市民や市外の皆さんに広げていく、そんな活動が観光を活性化させるのではないでしょうか。
なぜ、ここまでして、SNSの話をするのかというと、以前のテレビとかラジオは新聞や雑誌をもとに取材する先の調査をしていました。最近は、その新聞・雑誌がSNSの情報をもとに記事にしていることもあります。そして何より一般の人がSNSを元に遊びに行く場所、食べるものを決めていたりします。6月12日、武蔵村山市でも大雨が降った時ですが、雨の様子をTwitterにアップしたところ、テレビ朝日報道部からお話を聞かせてほしいという投稿がありました。つまり、テレビもSNS上で取材のきっかけを掴んでいます。SNSでの写真や映像が大切なのではないか?そう思っての質問でした。前回の一般質問でスタートアップの話をしましたが、観光の面においてもスタートアップの企業を使うなど、新たな視点からのアプローチが必要と考えています。
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