
以下、ブログに貼り付けやすい **HTML形式** に変換しました。
ビジネスプランコンテストを、地域課題解決につながる仕組みに
今回の一般質問では、令和6年度から始まったビジネスプランコンテストについて取り上げました。
テーマは、行政課題や地域課題の解決に資するローカルスタートアップ支援です。
昨日、武蔵村山市ビジネスプランコンテスト最終審査会を見学してきました。
7名のファイナリストの皆さんのプレゼンは、それぞれに想いと工夫があり、とても刺激を受けました。… pic.twitter.com/Sp93icwHfq— 波多野健【はたの けん】武蔵村山市議会副議長 (@ken_hatano) December 15, 2025
ビジネスプランコンテストは今年度で3回目になります。そこで、これまでの実績、見えてきた課題、そして今後どのような方向に発展させていくのかを確認しました。
令和4年から続けてきたスタートアップ支援の議論
私がスタートアップ支援について初めて一般質問で取り上げたのは、令和4年です。
当時、国ではスタートアップ育成が重要な政策課題となっていました。武蔵村山市でも、従来の創業支援に加えて、地域課題の解決や市内経済の活性化につながる新しい支援を考える必要があるのではないか。そうした問題意識から質問をしました。
その際に提案したのが、次のような取組です。
- スタートアップと市内企業をつなぐマッチング
- 実証実験の受入れ
- インキュベーション施設の必要性
さらに令和5年の一般質問では、市側から、創業支援補助金の上乗せ、事業コンペによる開業資金の支援、事業者のマッチング支援などが考えられるとの答弁がありました。そして、令和6年度からの実施に向けて取り組んでいるとの説明もありました。
その流れを受けて始まったのが、現在のビジネスプランコンテストです。
コンテストは、開催すること自体が目的ではない
この取組は、単に「創業を応援するイベント」ではありません。
新たなビジネスモデルを生み出し、市内経済の活性化や雇用の創出につなげること。さらには、本市が抱える課題の解決にもつなげていくこと。そうした可能性を持つ事業だと考えています。
一方で、コンテストは開催すること自体が目的ではありません。
応募されたプランが、その後どのように事業化につながったのか。市内事業者との連携やマッチングは生まれているのか。参加者への伴走支援は十分なのか。
こうした点を確認しながら、制度をより実効性のあるものにしていく必要があります。
市内創業につながり始めたビジネスプランコンテスト
市長からは、ビジネスプランコンテストについて、新たな創業者の掘り起こしと、地域に根差した創業に対する機運醸成を目的として実施しているとの答弁がありました。
実績としては、次の数字が示されました。
- 令和6年度:35人が参加申込
- 令和7年度:22人が参加申込
- 既に4人が市内で創業
- 1人が創業の準備中
また、令和7年度は初めて大型商業施設で最終審査会を実施しました。多くの観覧者を集めることができ、創業機運の醸成にも一定の効果があったとの認識が示されました。
一方で、課題も明らかになっています。
市は、創業後に経営が安定するまでの支援を充実させる必要があると認識しています。今後は、コンテストの実施に加えて、販路開拓などの支援についても、武蔵村山市商工会などの関係機関と連携して取り組むとの答弁でした。
私も昨年度の最終審査会を拝見しました。今回、4人が創業し、1人が準備を進めているという具体的な数字が示されたことは、一定の成果だと感じます。
市が実証実験の場になることも、スタートアップ支援
その上で、私が改めて確認したかったのは、スタートアップ支援を「補助金」だけで考えてよいのか、という点です。
令和5年の一般質問でも申し上げましたが、市がスタートアップのサービスや技術を活用し、課題解決に取り組むこと自体も、重要な支援になります。
つまり、市が実証実験の場になるということです。
民間からの提案を受け入れ、実証実験を通じて地域課題の解決に取り組む自治体になる。これは、これからの自治体に求められるスタートアップ支援の一つではないでしょうか。
再質問では、受賞者のその後と、地域課題解決につながっている事例があるのかを伺いました。
協働推進部長からは、受賞者のうち4名が既に事業化しており、一定の効果は得ているものの、本年度で3回目の開催であり、まだ発展途上であるとの答弁がありました。
その一方で、非常に興味深い事例も示されました。
受賞者の中に、東京都が実施する「多摩イノベーションエコシステム」というプロジェクトに申請している事業者がいるとのことです。
この事業者は、「サーモグラフィとAIを活用し、インフラ設備点検における地域課題を解決する」というテーマに取り組んでいます。そして、この実証実験について市に協力の相談があり、現在調整しているとの答弁がありました。
これは、今回の質問の中でも特に大きなポイントです。
実証実験は、自治体だからこそできる支援です。市が実証の場となれば、スタートアップにとっては事業を磨く機会になります。同時に、市にとっても、地域課題の解決に新しい技術や発想を取り入れる機会になります。
そして、こうした事例が積み重なれば、「武蔵村山市では新しい挑戦ができる」というメッセージにもなります。ビジネスプランコンテストへの参加を促す効果も期待できます。
インキュベーション施設と「試せる場」の必要性
次に、インキュベーション施設についても確認しました。
これまでの議論の中でも、創業を支える場の必要性はたびたび取り上げてきました。昨年のビジネスプランコンテストでも、出場者からインキュベーションオフィスが欲しいという声があったと記憶しています。
これは、まさに創業しようとしている人から出た言葉です。
市からは、令和4年3月に策定した産業振興ビジョンにおいても、インキュベーション施設の誘導を含め、多様な可能性から支援策の検討を掲げているとの答弁がありました。市としても、インキュベーション施設はスタートアップ支援において重要な施設であると認識しているとのことです。
また、今年度のビジネスプランコンテストの実施受託事業者が、立川市に、事業を試すことができる、いわゆるチャレンジショップを7月に開設する予定であり、市としてもこのような施設と連携していきたいとの答弁がありました。
立川市で事業を試すことができる。これは確かな一歩です。
ただ、できれば武蔵村山市内で事業を試せる場所がほしい。小さく始められる場所、相談できる場所、同じように挑戦する人とつながれる場所。こうした拠点が市内にあれば、創業支援はさらに実効性を持つはずです。
コンテスト後の伴走支援をどう充実させるか
最後に、コンテスト実施後の支援と、来年度以降の方向性について伺いました。
市からは、ビジネスの力を活用して地域課題を解決するには、ビジネスプランコンテストを単なるコンテストで終わらせるのではなく、その後の支援が重要であるとの答弁がありました。
奨励金を交付した受賞者やファイナリストについては、次のような支援につないでいるとのことです。
- 中小企業診断士等の専門家相談
- 東京創業ステーションTAMA
- 金融機関への相談
- 商工会への相談
来年度以降の開催については、本年度のエントリー者数を踏まえつつ、開催頻度を考えていくとの答弁でした。
また、コンテスト後も販路開拓などの継続的な支援を行い、創業機運の醸成を図りながら、継続的にローカルスタートアップが生まれるような仕組みづくりを考えていくとの考えも示されました。
私は、ぜひ伴走支援を充実させ、創業機運の醸成につなげていただきたいと申し上げました。
起業の形は多様化している
あわせて、帝国データバンクが公表した「2025年『新設法人』動向調査」についても紹介しました。
この調査では、2025年に全国で新たに設立された法人が15万6525社となり、集計可能な2000年以降で最多となったとされています。起業者の平均年齢は48.9歳で過去最高。60歳以上の割合も20.5%に達し、初めて20%台となりました。
起業というと、若い人が新しい技術で急成長を目指すイメージを持たれがちです。しかし、実際には、シニア起業、副業的な起業、1人起業、スモールビジネスなど、起業の形は多様化しています。
政府のスタートアップ育成5か年計画に加え、自治体、金融機関、商工団体などが連携して、資金面や実務面の支援を行う。こうした官民一体の支援が、起業の心理的・金銭的なハードルを下げているとされています。
一方で、新設法人は東京都に集中しており、地域で起業の芽をどう育てるかは大きな課題です。
ローカルスタートアップが生まれる仕組みへ
だからこそ、武蔵村山市のビジネスプランコンテストも、一過性のイベントで終わらせてはいけません。
地域に根差した創業。市内事業者との連携。販路開拓。実証実験。市内で事業を試せる場づくり。
こうした支援を重ねることで、ビジネスプランコンテストは、地域課題解決型のローカルスタートアップを生み出す入口になり得ます。
今回の一般質問では、市内創業につながった具体的な実績が確認できました。さらに、AIやサーモグラフィを活用してインフラ設備点検という地域課題の解決に取り組む事業者が現れ、市が実証実験に向けて調整していることも分かりました。
令和4年、令和5年と積み重ねてきたスタートアップ支援の議論が、少しずつ具体的な形になり始めています。
今後は、ビジネスプランコンテストを入口に、専門家相談、商工会・金融機関との連携、販路開拓、実証実験、市内で試せる場づくりへとつなげることが重要です。
地域課題を、行政だけで解決する時代ではありません。
市内外の人材、事業者、技術、アイデアを生かし、行政も一緒になって課題解決に取り組む。
武蔵村山市でも、そうしたローカルスタートアップ支援を育てていきたいと考えています。


Leave a Reply