
令和8年第1回定例会(3月議会)の一般質問では、「より良い学校教育について」をテーマに取り上げました。
これまでも私は、この時期になると学力向上について質問を重ねてきました。東京都の学力調査、全国学力・学習状況調査、そして市の独自調査など、さまざまな調査結果がある中で、それらをどのように分析し、授業改善につなげていくのかを確認してきたところです。特に近年は、単年度の結果だけで一喜一憂するのではなく、小学校から中学校へと続く経年変化を丁寧に見ていくことが重要ではないかと指摘してきました。同じ子どもたちが学年を重ねる中で、どの力が伸び、どこでつまずいているのかを把握することこそが、本当の意味での学力向上策や教員の指導力向上につながると考えているからです。
教育長からは、学力調査の結果や小・中学校を通じた経年変化の分析から見えた課題として、「思考力・判断力・表現力」「知識を活用する力」、そして「家庭学習などの学習習慣の定着」が挙げられました。今後は、学んだ内容を活用して考えたり説明したりする活動や、主体的に学習に取り組む活動をさらに充実させ、授業改善を進めていくとともに、家庭と連携した学習の充実を図ることで、児童・生徒一人ひとりの学力の定着と伸長につなげていくとの答弁でした。
これを受け、再質問ではまず、経年変化の具体的な分析について確認しました。市の説明によると、武蔵村山市の独自調査を基に、令和4年度に小学5年生だった児童が、令和6年度には中学1年生、令和7年度には中学2年生となった際の全国平均に対する「充足率」の推移を比較しているとのことでした。充足率とは、市の平均正答率を全国平均正答率で割ったもので、全国と比較した達成度を示す指標です。
その結果、国語では小学5年生時点で85.1%だった充足率が、中学1年生で90.2%、中学2年生では91.6%と、6.5ポイント向上していました。また算数・数学では、小学5年生時の73.8%から、中学1年生で90.7%、中学2年生では94.7%となり、20.9ポイントという大きな伸びが見られました。各学校で継続して取り組んできた指導の成果が表れているとの説明です。一方で、令和7年度単年度の結果を見ると、「活用」問題の正答率が「基礎」問題より10~20%程度低く、知識や技能を実際の問題に活用する力が今後の課題であるという認識が示されました。
小学校から中学校にかけて充足率が向上していることは、大変心強く感じています。特に算数・数学で大きく改善が見られる点は、各学校の継続的な取組の成果として評価できると思います。一方で、活用問題の正答率が基礎問題より低いという点は、やはり本市の今後の課題であると受け止めています。思考力・判断力・表現力の育成を掲げてきた中で、なぜ活用力が十分に伸びきらないのか。その要因分析をさらに進めてほしいとお願いしました。経年分析はまだ始まったばかりであり、データが積み上がるほどに見えてくるものもあります。今後さらに分析を深めていくことが重要だと考えています。
次に、授業改善の具体的な内容について確認しました。市では、各教科の授業の中で課題解決型の学習を取り入れ、思考力・判断力・表現力の育成を図る指導を行っているとのことです。また、本市が推進する「まちづくり学習」と教科の学習を関連付けることで、課題解決型の学習を充実させていく方針が示されました。例えば、総合的な学習の時間で行う地域探究から生まれた課題を教科の学びと結び付け、算数・数学では資料の活用、国語では説明活動、社会科では地域理解へとつなげていくといった取組です。市内の小学校では、児童が創作したパンを販売する活動に向けて図画工作の時間に粘土で試作を行い、商品化のイメージを具体化する学習や、残堀川など身近な環境を社会科で学んだ後に地球規模の環境課題へと視点を広げるSDGsの学習などが行われているとの紹介もありました。
こうした、地域や実生活と結び付けた学びは、本市ならではの特色ある教育実践であり、私も大いに評価しています。ただし、それが実際に学力向上にどのようにつながっているのか、またどのような指標で成果を測定していくのかという点は、今後の分析において非常に重要な視点だと考えています。
三つ目の再質問では、家庭学習の実効性について確認しました。教育長答弁でも「家庭と連携した学習の充実」が挙げられていましたが、具体的な取組として、各学校では学校評価の項目に家庭学習を位置付け、宿題や課題の提示、学習の進捗確認などを通じて学習習慣の定着を図っているとのことです。また、漢字や計算などの基礎学習に加え、自主学習ノートの活用や、自分のペースで進める課題の提示など、主体的な学習につながる取組も行われています。さらに、週予定表や一人一台端末を活用してテスト範囲や学習内容を示すことで、家庭で計画的に学習できるよう支援している学校や、定期考査前に家庭学習期間を設ける学校もあるとのことでした。加えて、AI型ドリルを活用した個別最適化学習も進められていると説明がありました。
こうした仕組みは、確実に整ってきていると感じています。ただし、「向上している」という結果だけで終わるのではなく、「なぜ向上したのか」をデータから分析し、それを「どうすれば再現できるのか」という形で学校現場に還元していくことが大切だと考えています。
今回は三つの再質問を行いました。最初の経年分析では、データを着実に積み重ね、より深い分析を進めていくことを求めました。二つ目の授業改善では、課題解決型学習である「まちづくり学習」と学力向上の関係を、どのような指標で測定していくのかという視点を示しました。そして三つ目の家庭学習では、向上しているデータをどのように分析し、再現可能な形で教育実践につなげていくのかという点について問題提起をしました。これらの点については、今後も改めて議会の中で確認していきたいと考えています。

