令和6年6月議会の一般質問で感染症対策について質問しました。その時の答弁とその後に取材した情報を含め再構成してお届けします。
感染症対策(麻疹)について
私たちはこの数年で感染症が古くて新しい課題であることに直面しました。感染症という医療という分野だけでなく、マスクや人との交流など経済や産業にも大きく影響することも経験し、対応しました。インフルエンザ、梅毒、結核、報道を見るとウイルスや細菌感染症の話題が出てきている状態です。今年になって麻疹(はしか)の流行に関する報道がありました。ワクチンの接種状況と現状について伺いました。
<市長答弁>
・麻疹の発生数は増えている
・麻疹・風疹ワクチン接種は2回が望ましい
・いずれもワクチン接種率は高い。
・麻疹は感染力が強力
・予防接種が最も有効な予防法
文章になっている市長答弁はスクロールしてご覧ください。
予防接種が最も有効な予防法
先日、国立感染症研究所村山庁舎を新政会で視察しました。その時、脇田所長と話をできる機会があったので、麻疹について伺いました。実際に3月4月、麻疹が流行している地域から帰国した方が麻疹に感染していたが、二次感染はなかったということでした。ただ、世界的に広がっているのも事実。ワクチンで予防できる感染症なのでやはりワクチン予防は大事です。ただ、ワクチン接種の回数は世代によって違います。
ワクチン接種は世代によって違う
麻疹の予防接種は、昭和53年10月から定期接種となり、接種回数は1回で開始されていますが、平成18年4月からは2回の接種に変更されました。対象者の生年月日でみますと、昭和47年10月以降に生まれた方は、幼児期に1回接種で、平成12年4月2日以降に生まれた方は2回接種となっています。また、平成2年4月2日から平成12年4月1日生まれの方については、特例措置として平成20年4月1日から5年間の期間限定で、2回目の接種を実施しています。なお、昭和47年9月30日以前に生まれた方については、1回も接種していない可能性が高い年代となっています。昔は自然免疫、自然に感染して免疫を獲得するというのが普通でした。ただ、現在は違います。その後の研究によって合併症や後遺症なども明らかになっており、昔の例えのように「麻疹みたいなもの」で話は済まなくなっています。
ワクチン接種の現状
麻疹(はしか)の定期接種以外で、抗体検査やワクチン接種の補助については、実施しておりません。また、麻疹(はしか)ではなく、風疹対策では、風疹5期や先天性風疹の対象者において、抗体検査や麻疹・風疹混合ワクチン予防接種を無料で実施しています。
昔は自然免疫、1回の人は、その後まだまだ麻疹の流行があった時代です。近年では感染する機会は減っていてブースター効果も減っています。そういった中に、流行地域から感染して帰国したり、海外からの旅行者が持ち込んでしまう可能性もあるということ。抗体検査に補助があっても良いのではないかと考えています。
感染の可能性がある世代への勧奨は?
麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染・飛沫感染・接触感染で、人から人へ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われておりますので、国内における麻疹症例の発生や流行状況を確認し、多摩立川保健所と情報連携しながら、武蔵村山市においてもホームページ等で注意喚起を進めていくというとです。
感染症対策
コロナが2類相当から5類へと変わって1年。ただ、「感染しましたー」という連絡は今でも多数あります。感染症に敏感になっている方も多いです。報道に取り上げられたのも、そういうこともあるのかもしれません。5類となった今、コロナ禍の3年を振り返って、今後、起こるかもしれないパンデミックに備えていくことが重要であると考えます。市役所としての仕事がどうだったのか、良いとか悪いではなく、振り返ってみる作業はしていかなければなりません。そこで、コロナ対策・感染症対策について、健康推進部長に聞きました。
武蔵村山市のコロナ対策を振り返る
武蔵村山市の新型コロナウイルス感染症対策は、これまで市の対策本部を設置し、国や東京都からの感染情報を基に、保健所や武蔵村山市医師会等と情報連携を図りながら、新型コロナワクチン接種をはじめ、自宅療養者への健康観察及び食糧支援、各医療機関へマスクの配布、市公共施設の休館など、様々な取組を実施してまいりました。
また、実績では市対策本部の開催回数は38回、食料支援の配送実績は2,334人、パルスオキシメーターは416人、新型コロナウイルスワクチンの総接種回数は、延べ241,777回となっております。
取り組みとして課題として捉えていることは?
新型コロナウイルス感染症の感染拡大時においては、保健所がひっ迫したことで、市と保健所の連絡体制が停滞し、最新情報が遅れての確認となり、市民対応に影響を及ぼすこともありました。
改めて、感染症対策を進めていく上で大切なことは、市と保健所が一体となって連携強化を図り、特に最新情報については共通認識を持ちながら速やかに取組むことが必要になってくると考えております。
今年度から保健所では、市町村との連携協力の重要性を踏まえて、市町村連携課を新設し、圏域6市に対応する各市の担当職員を1名ずつ配置しております。
今後は毎月開催される6市との連絡会において、感染症対策を含めた様々な課題等について情報交換を進めていきたいと考えております。
新興感染症に備えた今後の計画や取組みは?
武蔵村山市では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、令和4年7月に武蔵村山市業務継続計画(新型インフルエンザ等編)を改訂し、各課が取組む業務について見直しを図ったところでございます。
東京都では、令和5年度末に「東京都感染症予防計画」を改定し、それを踏まえて多摩立川保健所では、新興感染症発生時の組織体制や、人員確保・育成・訓練の実施、関係機関との連携等を盛り込んだ「保健所健康危機対処計画」を新たに策定しておりますが、今年度中に訓練の効果検証や市町村等関係機関との協議を経て、改めて見直しを図る予定としております。
今後は、平時からの準備として保健所が体制・機能強化策として掲げている、市と保健所の保健師職員による人事交流や各種研修の参加等、保健所との連携体制をより一層強化しながら感染対策に備えていきたいと考えております。
後日談。
7月27日(土)に開催される、国立感染症研究所村山庁舎一般公開「体験・発見・感染研!」のサイエンスセミナーで麻疹(はしか)が取り上げられるということです。3・4月にニュースに出ていた「はしか」。 知ってそうで知らない麻疹の話。詳しくは写真をご覧ください。サイエンスセミナーは14:00からです。私も聞きに行きます!
<市長答弁>
令和6年に入ってから麻疹(はしか)の発生数は増えており、東京都や大阪府などを中心に複数の例が報告されている。。令和6年5月22日現在で全国の発生数が22人で、発生時期は、2月と3月で合計21人、5月に1人となっている。また、内訳で東京都の発生数は6人と報告されているが、現段階では多摩立川保健所圏域の発生報告はない。麻疹・風疹混合ワクチン接種は2回が望ましいとされており、本市の令和5年度における定期接種の状況については、1期が1歳児400人を対象に接種人員が390人、接種率97.5%、2期が小学校入学前1年間の幼児591人を対象に接種人員が520人、接種率88%となっている。麻疹ウイルスは感染力が強く、空気感染することで手洗いやマスクのみで予防はできないことから、予防接種が最も有効な予防法になるため、定期接種の勧奨強化を図る等、引き続き接種率向上の取組を実施する。