令和5年12月議会の一般質問でお薬手帳の有効活用について質問しました。その時の答弁とその後に取材した情報を含め再構成してお届けします。
お薬手帳は、使用している薬の名前や使い方に関する情報を経時的に記録するためのものです。市民からお薬手帳って持っているだけで良いの?という問いかけがありました。さて、どうでしょう。みなさん、上手に使えているのでしょうか?お薬手帳を使うことによるメリットを伺います。
【市長答弁】
お薬手帳については、薬の重複や飲み合わせの確認、同じ薬局で処方してもらうことによる薬代の節約、災害時には避難所などでスムーズに診療や投薬が受けられるなど多くのメリットがあるものと認識している。
このことから、国民健康保険の被保険者に対し、ホームページを活用したメリットの周知を行うとともに、70歳となった被保険者に対しては、高齢受給者証を送付する時期を捉えて、本市薬剤師会と共同で作成したリーフレットを同封するなど、お薬手帳の活用に関する取組を行っている。
今後も、本市薬剤師会と連携し、お薬手帳の活用について、周知を図りたい。
お薬手帳のメリット
お薬手帳を使用するメリットは、薬局でお薬手帳を提示することで、薬剤師のチェックにより、薬の飲み合わせによる副作用の低減を図れることや、異なる医療機関からの薬の処方の中で重複している薬をチェックしてもらえること、また、患者がお薬手帳を持参することで自己負担額が軽減されることなどがあります。過去には、東日本大震災等の被災地の避難所等でお薬手帳を提示したことで、スムーズに診療や投薬が受けられた事例もありました。
医療費の軽減効果
また、お薬手帳を利用することにより、どれ位医療費が軽減されるのでしょうか?薬剤師会によりますと、服薬管理指導料が、お薬手帳を持参した場合は、450円、持参しなかった場合590円。一定の条件がありますが、利用者が3割負担の場合の自己負担額は、お薬手帳を持参した場合は130円、持参しなかった場合は170円となり、40円ほど安くなります。
一方で、お薬手帳を利用率が上がることよって、適切な服薬指導が受けられ、今までお薬手帳を持っていなかった患者の薬の飲み合わせ等による健康被害を防止できることが期待でき、行政における効果としては、利用者が健康になることにより医療費全体の削減に繋がります。
70.86%の持参率
では、市民の皆さんは、どのくらいの人がお薬手帳を使っているのでしょうか?
本市薬剤師会に確認したところ、薬局に設置されているレセプトコンピューターで算出した一つの薬局における持参率(初診者及び3か月以上空いた再診者は対象外となる等一定の条件で算出)で、11月分が70.86%(11月27日現在)ということです。
さらにメリットを活かそう
メリットがある以上、やはりホームページだけでなく、市報などを用いた周知を要望した上で今後の薬剤師会との具体的な連携の内容について聞いたところ、国民健康保険加入者へ高齢受給者証の新規対象者及び毎年の更新時にお薬手帳ホルダーに本市と薬剤師会連名の医療費適正受診啓発リーフレットを同封し郵送しているとした上で、リーフレットには「お薬手帳はこんなに便利」といった内容の記載もあり、現在も継続して実施しているということでした。さらに連携を深めて、お薬手帳のメリットを活かしていかなければなりません。
ちなみにマイナポータルで確認できる薬剤情報と電子お薬手帳の内容の相違を聞いたところ、基本的な内容は同様ということでしたが、見ることができる薬剤情報は、前月分までとなっており、まだまだ、お薬手帳が役に立ちそうです。
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