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外国人との多文化交流(令和4年第2回定例会)

外国人との多文化交流

令和4年6月の一般質問の詳細を再度取材した上で、再構成してお届けします。

先日、外国人観光客の受け入れが再開されました。約2年ぶりで本格的になるのは6月下旬とされています。もちろん、ビジネスで来日する外国人の数も増え、仕事などで武蔵村山市に在住する外国人も増加することは想像に難くありません。これまで予算特別委員会でも在住外国人数などを聞いており、市内には約1,700人が在住しているといいます。また武蔵村山市もホームページの情報を多言語対応するなど環境が出来上がってきています。そこで多文化交流についての考えと今後の展開について議論しました。

【市長答弁】
多文化交流については、ホストタウン交流事業の相手国であるモンゴル国について学べる講座の実施や、高校生を対象とした英語ツアーを実施してきたが、コロナ禍の影響により、令和2年度から実施は見送られている。英語ツアーの令和4年度における事業実施は未定であるが、異文化に触れる機会につなげるため、若年層の英語学習の機会を設けていきたいと考えている。在住外国人との交流は、国際化社会への対応を図り、国際理解を推進するため重要であり、新たな事業展開は今後検討を進めていくことになるが、まずは在住外国人の実態やニーズの把握に努めることが重要であると考えている。

市長答弁の肝は「事業展開は今後検討」、「在住外国人の実態やニーズの把握をしたい」ということでありました。事業展開は検討していただくこととして、まず、実態を把握します。

この10年間の在住外国人は1.6倍に

武蔵村山市における在住外国人の推移については、平成24年度が1,069人に対し、令和3年度が1739人となっており、年々増加傾向にあります。また、国籍別では、令和3年度末の状況になりますが、一番多い国籍が中国、二番目がフィリピン、三番目がベトナム、四番目が韓国又は朝鮮、五番目がブラジルです。平成24年度から令和3年度までの10年間に若干の順位の変動はあるものの、この5か国が概ね上位五番目までを占めています。

技能実習制度での在留が2番目

令和4年3月31日現在で、武蔵村山市には1,739人の外国人が在住していますが、このうち在留資格で一番多いのが、永住者、特別永住者及び永住者の配偶者等で968人、全体の約56%。二番目が技能実習2号及び3号で202人、全体の約12%。三番目が定住者で136人、全体の約8%です。

市内在住技能実習生は202人

令和4年4月1日現在で、技能実習制度を利用して、就労しながら市内に在住している外国人数は202人です。技能実習生は3〜5年で技術やサービスを学んで母国に帰国します。つまり、市内に住む在留外国人のうち10~20%が数年後には帰国してしまうことになります。令和2年4月1日時点では362人いた技能実習生(1号・2号・3号)は、コロナで受入れが止まり、令和4年4月1日現在で2号と3号の202人となってしまいました(実習が始まって1年目が1号。受入れが止まっていたので0人ということになります)。実習を終えて母国に帰る人がいる一方、技能実習制度を利用して来日する人が減っていることを示しています。今後、技能実習生の受入れが再開されれば増加していくものと考えています。
また、令和4年4月1日現在で技能実習生を受入れしている市内の企業は26社です。

市民と外国人コミュニティとの交流

今回の一般質問では、技能実習制度で来日し、在住している外国人にスポットを当てました。現在進行中の武蔵村山市長期総合計画(市の最上位計画)には、国際交流の推進の項目があります。国際理解の推進や国際化に対応した環境整備が項目に挙げられており、モンゴルとの交流は進めてほしい部分であり、横田基地での英語ツアー、スタートアップの視点からも英語人材も大事です。
それに、各国の技能実習生との交流を追加することにより、市内にいながらにして多くの文化と交流ができるようになるのではないか、と考えています。国際理解の推進の項目には「市民と外国人コミュニティとの交流促進があります。まさに技能実習生との交流は最新の各国の文化の状況を知る外国人との交流であり、技能実習生のコミュニティとの交流促進は長期総合計画の国際交流の推進に適うものです。
市は、異文化に触れる機会につなげるため、若年層を対象に、共通語とされている英語学習の機会を設けていきたいとしている一方で、技能実習生との交流はお互いの文化を知ることができる契機にもなりうるとしています。

技能実習生の生活関連のあれこれについては実習受入企業がしていますが、武蔵村山市が実習受入企業と連携して多文化交流を進めれば、武蔵村山市に住む外国人、技能実習生受入企業、武蔵村山市の住民の交流が進むのではないでしょうか。ただ、市から直接、実習生にアプローチするのは難しいとの見方もあります。協働推進部長は「実習受入企業に関しての情報は保有していないので、商工会等を通じて市内の事業者に対して連携に関しての意向等を調査することは可能と考えている」と答えています。

普段からの交流がまさに多文化交流の先頭に市役所が立つということになります。

喫緊の課題である家庭ごみ有料化も交流から

別の見方もできます。例えば、10月から始まる家庭ごみ有料化。ごみに対する文化が国によって違います。市役所が一生懸命に分別を訴えていても、来日してまもない実習生が文化の違いによってゴミを持っていってもらえない、住居の周辺の住民からごみの分別ができない、という目で見られてもいけないのではないか。受入企業と連携することにより、ご近所付き合いもしやすくなる…ということも考えられます。ごみ対策を所管する環境担当部長は、「これまでごみ対策課では市内に住む外国人のごみ分別の理解向上と適正なごみ出し指導のため、英語、ポルトガル語、中国語、ハングル語の4か国語のリーフレットを作成し、必要な方に配布を行うとともに、ホームページやごみ分別アプリにて周知を行っているところでございます。なお、10月1日から導入いたします家庭ごみの有料化及び戸別収集の実施に際しましては、外国人の方にもしっかり御理解いただけるよう周知する必要があることから、これまでの4か国語にベトナム語を加えたリーフレットの作成も予定しております。また、企業連携につきましては、まずは、把握できる範囲ではございますが、外国人労働者を受け入れております市内の事業所に対しましても通知やホームページなどで、周知のお願いをしてまいりたいと考えております」と答えています。一つの部署だけでなく、普段から企業連携して、多文化交流として進めていくのが良いと考えています。ちなみに、日本で住んでいる私が海外に行って、現地の方法で正しくゴミが出せるか?と問われれば、「できません」というか「わかりません」と答えるしかありません。文化の理解って難しいですね。

交流相手国の文化を知ることが基礎

多文化交流は武蔵村山市としても行っています。しかし、多文化交流については、単にイベントを行えばよいのではなく、多文化を理解することこそが重要であり、それが多文化交流の基礎となります。

外国人にとっては日本での生活に慣れてもらう一方で、日本に住む我々としては、新鮮な諸外国の文化を教えてもらえるチャンスでもあります。武蔵村山市は今年度、若年層を対象に、共通語とされております英語学習の機会を設け、諸外国の文化に関心を持つ入口を作っていくことを検討しています。今回の私の提案に対しても理解していただいており、市内の事業者に対して連携に関しての意向等の調査や、家庭ごみ有料化及び戸別収集の実施に際しての周知なども連携の糸口を探っていきたいとしています。技能実習制度で来日した外国人はあまり良くないニュースで伝えられています。一部の問題を大きく扱われて、ほとんどの外国人・受入企業は、課題はあるにせよ良い関係を構築し、実習生は技術やサービスを持ち帰ってもらって母国で活かしていただいています。まず中国・フィリピン・ベトナム、多い順に相手国の文化の理解が大事という一般質問でありました。

参考情報
武蔵村山市はホームページを多言語で提供していますが、どのくらい使われているのか秘書広報課に聞いてみました。
現在、市ホームページの翻訳は、5か国語、6言語に対応。
令和3年度、利用された翻訳総件数は2,667件。
内訳…
英語が2,036件(76.3%)
タガログ語240件(9.0%)
ベトナム語150件(5.6%)
韓国語104件(3.9)%
中国語(簡体字)102件(3.8%)
中国語(繁体字)35件(1.3%)
英語がダントツ、フィリピン、ベトナムの順でした。

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