コロナ禍におけるより良い学校教育について
こちらも3月にできなかった質問。令和元年度も東京都の児童・生徒の学力向上を図るための調査が行われました。この調査結果を受けて、毎年、教育委員会の考え方や指導方法について一般質問しています。この結果を分析したのちに教育の方針を立てていますが、新型コロナウイルス感染症の影響で方針変更をせざるを得ない状況です。それも含め今回の「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の結果と、学校教育の改善充実状況について伺います。
<教育長答弁>
東京都の学力調査は、小学校5年生、中学校2年生を対象としている。令和元年度の結果については、小学校では、社会科において東京都の平均正答率に近づいている一方で、算数科における技能面や数学的な考え方に課題が見られた。中学校では、国語科、理科において東京都の平均正答率に近づいている一方で、数学科における数学的な考え方について課題が見られた。各学校では、児童・生徒の実態を捉え、授業改善推進プランを作成し、授業改善に努めている。また、児童・生徒一人一人の学習支援として、小学校補助教員やスクールサポートスタッフの活用、学習ボランティアを活用した放課後の補習教室等も行っている。
コロナ禍における課題については、学習活動の重点化が挙げられる。その解決方法として、年間指導計画を見直し、個人でも実施可能な学習の一部を授業以外の場において行い、授業では、教師・児童・生徒の関わり合いが特に重要な学習への動機付けや協働学習を行っている。限られた授業環境であっても、確実に資質・能力を育成している。
データの積み重ねと解析、そして指導方法の確立
「小学校では、社会科において東京都の平均正答率に近づいている一方で、算数科における技能面や数学的な考え方に課題が見られた。中学校では、国語科、理科において東京都の平均正答率に近づいている一方で、数学科における数学的な考え方について課題が見られた」。これは昨年7月に行われた、東京都の児童・生徒の学力向上を図るための調査の結果です。これまでも何度か書きましたが、この調査は、教員が今後どのような指導をしていくか方針を立てるための調査であって、子供たちの学力を図るための単なるテストではないことをご承知おきください。
小・中学生の保護者をはじめ、幼稚園に通う子供たちの保護者の皆さんからも注目をいただいている質問です。毎年3月に質問していますが、コロナ禍の対応のため少し遅くなりましたが、第3回定例会での一般質問となりました。
小・中ともに算数・数学に課題がある一方、国語・理科・社会では東京都の平均正答率に近づいているという結果でした。算数・数学については、ここのところ続いている結果です。教育委員会では、教科書の例題レベルでつまずいている児童・生徒が少なくない状況であり、基礎的・基本的な力の定着が不十分であると結論づけています。授業改善や一人一人の学習支援などで対応しているものの、コロナ禍の対応で若干の方針変更は否めないところですが、「限られた授業環境でも、確実に資質・能力を育成している」という答弁通り、努力をしていただくよう伝えました。
さて、コロナ禍、臨時休業の影響で7月に行われる予定だった「児童・生徒の学力向上を図るための調査」は中止となりました。来年度以降は、学習指導要領の改訂により「学びに向かう力、人間性等」について聞く意識調査となるため、「知識及び技能」や「思考力・判断力・表現力等」は全国学力調査で担い、資質、能力の育成状況の把握、効果的な授業改善につなげていくことになっています。このため東京都の「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の報告を求めるのはこれで最後ですが、学力向上に関しては質問形式を変えてこれからもやっていく予定です。また、東京都の調査は約15年続いてきた調査なので、データも積み重なっているはずで、教育委員会の仕事としてこれまでの結果を再分析することを要望しました。来年の3月にも再分析結果を一般質問する予定です。
全体の結果や武蔵村山市の結果は東京都教育委員会のホームページから見ることができます。東京都教育委員会「平成31年度 児童・生徒の学力向上を図るための調査 及び 全国学力・学習状況の調査の結果について」をご覧ください。視覚的に武蔵村山全体の状況を見たい場合には資料編をご覧ください。