発達障害などがあり特別な支援を必要とする子供たちが増えています。福祉や教育の面で充実した支援のもとに自立した生活が送れるよう保護者も子供も安心して教育を受け成長できる環境づくりと題して数回にわたって議論してきました。支援が必要な、もしくは支援が必要な可能性がある子供たちの正確な把握や情報分析、そして相談窓口・組織の一元化を要望しています。
武蔵村山市における特別な支援を必要としている特別支援学級いわゆる固定学級に在籍する児童・生徒数は平成20年が61人で平成29年は122人と10年間で倍増しました。ここ5年間は発達障害に対する理解が進んだこともあり急激に増えています。文部科学省が2012年に行った調査によりますと、全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童・生徒のうち、人とコミュニケーションがうまく取れないなどの発達障害の可能性のある小中学生が6.5%に上ることがわかっています。
市はこれまでも、幼稚園や保育所に学識経験者又は臨床心理士による巡回相談等を実施し、支援が必要な児童の円滑な集団生活のために、助言や相談等を行なっています。また、小学校では特別支援教室を全小学校に設置、中学校でも順次開設して特別支援教育を推進しています。特別支援教室とは、発達障害のある子どもたちをはじめとした個別のニーズに対応し、より適切で効果的な教育を行うための教室です。そして義務教育修了後は、福祉部門に配置した保健師が発達障害児者やご家族からの相談を受け、必要に応じて障害児や障害者向けの福祉サービスにつなげています。
市役所では子供達の発達過程で主に福祉部と教育委員会が関わります。成長段階に応じたそれぞれの支援は充実されているものの、幼稚園・保育所などの未就学児は健康福祉部の「子育て支援課・子ども育成課」、小・中学生の学齢期では「教育委員会」、中学校を卒業後は健康福祉部の「障害福祉課」へと担当部署が変わり、それぞれの情報は相互にうまく活用されてきませんでした。また、市はこれまで、幼稚園が受け入れている発達障害をお持ちの子供たちの把握はしてきませんでしたが、議論を深めることにより平成30年度から調査を始めています。また、現在、バラバラになっている医療・保健・福祉・教育などそれぞれの部署が保有している情報を共有する体制(マイファイル)の構築も始めており、内部での横断的な支援体制の充実を図っている状況です。
一方、発達障害などで特別な支援を必要とする子供や保護者が、未就学児から成人するまでの間、相談できる窓口が必要と考えています。先述した情報を共有するマイファイルは市役所内部での共有であり、窓口はそれぞれの担当部署のままです。相談窓口や部署を一元化することにより、支援はさらに充実するでしょう。立川市は「子ども総合相談窓口」を設置し、すでに取り組みを進めています。さらに、支援の状況を分析することにより、将来のさらに効果的な支援が可能になります。市には今後もマイファイルの早期運用開始とともに、窓口・組織の一元化を要望してまいります。
発達障害はできる限り早期に発見し、適切な支援につなげていくことが重要です。内閣府などは、「1歳6ヶ月及び3歳児を対象とした健康診査で発達障害の早期発見に留意するだけでなく、身近な保護者の方や周囲の方が正確な知識を元に早い時期から気づくことも重要」としています。武蔵村山市教育委員会は「障害があることは特別なことではありません。できるだけ早い時期に、適切な支援を始めることが、将来、社会で生きていくために一番大切なことです。どんな小さなことでも、お子様のことで気になることは御相談ください」と保護者の皆さんに気軽に相談してほしいと呼びかけています。
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